起こると怖い波及事故
波及事故とは
高圧受変電設備などで起きた事故が原因で電力会社の配電線を停止させ、同系列の配電線から受電しているビル、工場など第三者の電気設備を停電させる事故です。影響範囲が病院や交通機関システムなどに及んだ場合、損害賠償責任を負う場合もあります。波及事故防止には日頃の電気設備の保守点検が重要です。
波及事故の主な原因
(保守不完全)
(自然劣化)
(作業者の
過失)
(公衆の
故意・過失)
(火災)
63%にのぼる
※2016年の集計より波及事故のうち、原因が自然現象であるものは集計の対象外となっています。
動画「PAS・UGS波及事故ってなぁ~に」
動画でわかりやすく説明しています(クリックで動画がポップアップで開きます)。
波及事故対応事例
~周辺が波及停電。日ごろの信頼が早期復旧を実現~
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【対応時系列】
- 10:53 停電発生。日本テクノ監視センターが電力会社へ事故詳細を確認。
- 11:05 担当技術者が別件で訪問しており、その場で被害状況を確認。
- 11:29 当事業場が波及元のため電力会社が来場し、周辺の停電を解除。
- 11:35 PAS交換の了承を得る。監視センターが協力工事会社に緊急復旧工事を要請。
- 15:50 協力工事会社がPAS交換工事を開始。
- 18:16 工事完了。電気管理技術者が耐圧試験と継電器試験を行い、受電が復旧。
PASに異常発生、停電が周辺に波及
事故発生時に日本テクノの監視センターが停電通報を受信し、電力会社へ事故詳細の確認を行っていた。工場では、スパーク音とともに機械がストップしていた。「ちょうどその日、普段から親身に電気のことで相談に乗ってくださる日電協の担当技術者が当社の砕石機のモーター交換に立ち会っていたのは不幸中の幸いでした」(先方担当者)。停電の原因は同社のPAS(高圧気中開閉器)。周辺に停電が波及する事故となった。
まず点検、被害状況を確認し、復旧に向けて動く
当日の天気は快晴。しかし技術者が年次点検を行った4ヵ月前、スパークしたPASの絶縁抵抗値は通常通りだったことから、技術者は「数日前の雷雨で異常が発生したのではないか」と推測。先方担当者らと相談し、PAS交換の了承を得た。さらに周辺の復電を優先した技術者は電力会社と相談し、配電線の区分開閉器の開放を要請。電力会社の社員が同社を送電網から切り離すことで、PAS交換を待たずに周辺の停電を解除できた。
事故原因を最後まで追究
その後も技術者は以前から取引のあったPASの製造会社に連絡し、被害原因の特定を依頼した。その結果、電力会社の配電線に落ちた雷が、誘導雷としてPASに侵入した痕跡が碍子部分に確認され、これにより絶縁破壊が起き、雨水が浸入したことで時間差のある回路短絡を招いたとの見解を得た。この検証の結果、落雷起因の事故と認定され、新たなPASおよび設置費用は日本テクノの保証サービスが適用された。
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